気持ちの流れるままに、物語を書いています。

転生船長 第52話 - 宇宙人ですこんにちは

さて、ようやく着きましたよ、と。
惑星の名前はそちらの言葉でセンティリアというらしい。
意味は「世界の中心」。
おお。そうですか。
世界の中心ですか。
そりゃまたなんとも。

まあねー。自分たちにとってはそこが世界の中心というのは、
まあ、それはそうなんだろう。
私の元いた世界だと、
元々の言葉の名称と、共通語の名称が違っていて
元々の言葉の名称だとわりとごっつい名前がついているが、
共通語の名称だとごっつくない感じ、
というのはぼちぼちあったかな。

私の星は名無しです。
なんだろう、マイティが決める気ないんだよな。
「我が星」ってなんだよそれ。
それは名前じゃないだろ。
向こうに言う時、なんて言えばいいのだよ。
せめて、アース、くらいにはしとけよ。
アースって意味は「大地」か。
あれ?「我が星」といい勝負だな。
あちらの惑星の悪口はこの辺にしておこうか。

まあ、そのセンティリアまでつきましたと。

さて、向こうはこちらを検知、、、しましたね。
よしよし。
アースはまったく気づいてなかったけどな。

向こうから何か来るかな?
お。
こちらに向けて宇宙船をよこすことにしたようですな。
では停船して、様子を見ましょう。
さてさて、どんな感じかな?

しばらくまってると、通信のようなものが来ましたな。
よし、通信プロトコルはAIに任せた。頑張って解析したまえ。
お、向こうの言語メッセージが抽出できましたな。
ほいほい。
では、翻訳AIさんお仕事してくださいな。

あ、なるほど。簡単に言うと
「どちら様ですか?」
ってことですな。

AIちゃんたちの先行調査の結果、
センティリアから見ると、こちらの銀河は「銀河103」というらしい。
ふむ。ただの番号ですな。仕方ない。

では、こう返しましょう。
「センティリアのみなさん。こちら銀河103から来た宇宙人です。こんにちは!」
AIちゃんたちがんばれ。
リターンメッセージはあちらの言語に翻訳してもらって、
通信プロトコルもあちらにあわせて。
似たような感じで送り返してもらったらいいからさ。

さて、どう来るかな?

転生船長 第51話 - 現地に行こう

よし、ここは現地に行ってみよう!
お店はウェイター君100%任せで、商売相手の惑星に向けてレッツゴー!

まあ、27日かかるんですけどね。
のんびりいきましょう。

アースは割と近い銀河にあったが、
今度の惑星はわりと遠い銀河にある。

アースの銀河は変わっていて、真ん中に棒みたいなのがある。
しかも我が家の銀河と近くて
将来的には我が家の銀河とだんだん引かれあって
アースの銀河は一つになる、、、かもしれない。
まあ、アースはいいや。

今度の銀河にはそんな棒みたいなのはないな。
直径が広めー、かな。
まあ、銀河自体にはそんな興味なくて、
興味があるのは惑星の商売相手としての特性だけなんだけど。

私の宇宙船みたらびっくりされるかもしれないなー。
なんだその性能は、みたいな。
魔法はあんまり得意じゃないっぽい。

いいよー。
そんなの全然いいよー。
科学技術が発展しているのなら、
ありよりのありだ。

ただ、私の種族がみんなこんなことできるとか思われたら
めんどくさいな。
違うんだってー。
これ、私だけなんだってー。

その辺りの話はどうしようかな。

うーん。

ま、向こうからこっちにくるほどの技術はまだないみたいだから、
その辺は適当に誤魔化すかね。
それかもしくは転生の話をするか。

よし。
考えるのめんどくさい。

転生の話をしてしまおう。
向こうに知られたところで、どうとでもなるし、
所詮、あちらさんって科学技術だけでしょ。
なんとでもなーる。

というわけで、今度の商売相手さんには、
「宇宙人ですこんにちは!」
というので行こう。

宇宙人見るの、私が初めてじゃないでしょ!
あとはノリでいこう。

転生船長 第50話 - 魔力結晶生成プラントの件

久しぶりにAI君たちにまかせていた
魔力結晶生成プラントの準備状況チェックしてみよう。

うーん。
微妙だ。
AI任せだとそうなるよねー。

私の脳内端末に残っている情報を整理して、
生成効率が比較的ましで、
魔力コストも比較的ましなのをピックアップし、
周辺の資源を検索して
開発年数が一番ましなものを算出してくれている。

現状の試算で、約30000年後に私の魔力約100000年分を使って、魔力結晶生成プラントが完成。
生産効率が1年あたり、私の魔力1ヶ月分弱らしい。
1000年生成したら、この恒星系にある該当資源が枯渇するので、他の恒星系に資源を探しに行くか、
別の資源を使用する方法を模索する必要あり。
また、追加の生成プラントを1個作成するのに、約1000年+私の魔力約10000年、が必要とのこと。
そして、各々の数値を改善する方法を模索検討中、とのこと。

はっはっは。

チカボシとクラボシ内にある燃料コアに比べたら、
段違いで性能が高いものではあるのだが。
あちらの燃料コアもなんのかんので資源を使っているので
何年かしたら別資源を使うようにするなり
半永久的に使える資源を用いるようにするなり
アップデートは考えなきゃいけないんだけど、それはまあいいとして。

開発はずっとAI任せだったからねぇ。
成果としてはそんなもんだろうねぇ。
ほいじゃあ、お姉さんも少し手伝いますかね。

・・・

いやー、これ、時間かかるわ。
結局、魔力が沢山あれば開発スピードはあげられるし、
枯渇資源の問題も別経路で解決できる。

まあ、どうあがいても魔力不足がネックになるわけだ。
結論、魔力結晶が沢山必要、ということよなあ。
つまるところ、(あくまで私の中では)世の中、魔力結晶で回っておるのよ。
魔力結晶を求める冒険にそろそろ本腰をいれていく時が来たようだ。

よし、だらだら休暇は終わりだ。
プラントの件は再びAI任せで、私は商売に本腰を入れることとしよう。
早速、宇宙船で20日ちょいかかるところ相手の商売の準備にとりかかりますかね。

・・・ちゃんと試算してみたら、片道27日だった。

転生船長 第49話 - もっともっと探す

もう腹をくくって、どんどん商売相手を探すことにした。
徹底的に引きこもって、心を無にしてガンガン探知していくことにした。

・・・

もうそろそろ20才になろうかというところだろうか。
やっと1箇所見つかった。

場所的にはかなり遠い。宇宙船で20日ちょいかかる。

そこの知的生命体は、宇宙船で恒星系外に出る力を持っている。
しかも、その力で他恒星系の知的生命体の発見をも成している。
なかなかのものだ。
発見した知的生命体に対しては文明レベルがまだまだ低いことからあえて干渉を避け、
その知的生命体の固有の発展を見守るということを選択した文明だ。

ふむ。
これは・・・理性と知性を感じる。
どこぞのアースとはひと味もふた味も違うな。

AIくんたちの検索によると、そこの恒星系には多種多様の資源があり、
同恒星系内の母星以外の他惑星の資源を採取することにも成功しており、
そのなかで魔力結晶に変換可能な鉱物について
それなりの量確保できている可能性が高い、
という分析結果も出ている。

これは期待値大だ。
ただ、、、、このガンガン探知に流石につかれたので、
さっそく、そこに調査に行く、という気にはならなかった。

しばらく、おやすみ、である。

転生船長 第48話 - 30000年問題

30000年くらいでこの恒星系が急激に銀河の中心地に引っ張られ始める問題。
略して30000年問題。

まあ、私だけ脱出ってのは実のところそんなに難しくない。
というか今からでもできる。
ただ、母星の愛着ないのかといわれると、、、、
まあ、、、、
そんなにはないかもしれないなー。

ただ、放置して逃げるというのも、
見殺しにするみたいで、ちょっと気分悪いのよね。

宇宙船を何台も作って、この星の知的生命体全員分を乗せる、
ってのも時間をかければ可能かもしれないが、
まあ、乗らないってダダこねる人がいたり、
なんやかんや問題が出て、
面倒事に巻き込まれたりってのは確実にあるだろうから
それも微妙に気乗りしないのよね。

まあ、一つ思いつくのは、恒星系を外に引っ張る、というもの。
銀河の内側に落ちていこうとしているのだから、外に引っ張ることでそれを防ぐという。
できるかできないかでいくと、
膨大な魔力があれば、って話になり、そしてそれは現実的ではない。

そもそも私の寿命を十分に延ばせるだけの魔力がないってレベルなのに、
恒星系を外に引っ張るって、桁が違いすぎる話だ。


とりあえずマイティには話だけでもしておいて、
そちらに考えることは任せて自分は脱出、という手は・・・
あるな。

なんだかそれが一番良い気がしてきた。
マイティがこの惑星外にどれだけ目を向けているか、
ということ次第な気はするが、、、
ふーむ。

ただ、そういう次元の話をマイティに持っていくとなると、
そのことを教えてハイ終わり、ではなく、
なんらかのトラブルが起きる予感もするのよね。
故郷の村の人達に迷惑がかかるのもない話ではない。

いずれにせよ、難しいわよね。
どうしたもんかしら?

転生船長 第47話 - さらに探す

そんなこんなで我が家に帰ってきました。

ミカドは実につまらなかった。
この恒星系一番の街のくせに、実につまらなかった。
これならアースのほうがマシじゃなかろうか。

まあ、それはさておき、
再び、商売相手の星を探しますかね。

次の銀河系はどこにしようか。
まあ、近い順に見ていきますかね。

ちなみに前見た銀河系に近いところにあった
小さめのところが複数あったが
そいつらはそのときにチェック済み。
そして成果ゼロだった。

それはさておき、、、近場から探していってとりあえず見つかった銀河系から
また見てみますかね。
こないだのよりさらに遠くなるので、
さらに時間はかかりそうだが、致し方なし。

調べる前に、再度AIくんたちの検索結果をチラ見。
はい、なんもなーい。
ええ、わかっていましたとも。

・・・・

90日間かけて成果ゼロ。
あっかーん。
もうやだこれ。
なんというか、精神的に疲れる。

AIくんたちの成果もゼロなのよね。

うーん。
アースで頑張る?
いやいやいや、あれはない・・・。

また、またちょっと気晴らしに、
30000年問題でも考えてみますかね。

転生船長 第46話 - ミカドの動画コンテンツ

マイティ達の居住地域の首都ミカド。

マイティは母星に住む種族の中でも
もっとも魔法文明が発達しており
首都のミカドにはその技術が集まっている。

私からするとまだまだ未発達ではあるのだが
気晴らしに行ってみるのはありかと思えた。

お店はいつものようにゴーレムであるウェイター君にまかせて、
私は気ままにミカドに旅立つこととしよう。


といっても、馬車とか徒歩とかめんどくさいので、
バビューンとお空を飛んでいく。
マイティにもこれくらいのことはできる人はいるので
ま、目立たないでしょう、ということで。

途中でわりと大きめな飛行する魔物がいたが、
無視して脇を通り抜けておいた。
速度差があるので、全く相手にならない。

・・・

というわけで、はい、やってきましたミカド。

マイティだらけである。
そして基本的にマイティはオプティを下にみているので、
みんながみんなではないが、
なにやら失礼な視線もちょいちょい受ける。

この劣等種族が、とでも思っているのだろうか。
私からしたら、そっちのほうが劣等なのだが、
まあいいや。
手やら口やら出してこない分には弊害はない。
スルーだ。

手近な魔法用具店にでも入ってみる。
どれどれ。
ふーむ。
たいしたことないなー。
興味引くようなものもないなー。
うーん。

お。
動画コンテンツを受信できる魔法用具がありますな。
ふむ。
コンテンツにはどんなものがあるんだろうか?

色々ありますな。
ひたすらに綺麗な映像が流れるようなタイプが多い。
マイティはこういうのが好きなんだろうか。
あと、魔法指南的なものもありますな。
個人的に狙っているのは、そういうのじゃないんだが、、、、
と思っていたらあった。

そりゃあるよねー。
ただ、好みじゃないのよねー。
マイティのやつは種族が違うのもあるんだろうけど、
なんというか魂が揺さぶられないのよねー。
オプティのやつないの?

あった。
あったけど、数が少ない。
そして数が少ないからか、
私の好みのやつバッチコイ的なのもない。

うーーんーーー。
色々と微妙だなあ。
暇つぶしには良さそうだから、魔法用具自体は買うとしますかね。
まあ、購入前に、念の為、セキュリティチェックしてみましょう。

ん?
んんんん?

なんじゃこれ?!
個人情報を撒き散らす魔法用具だと。
いやー、ないわー。

動画コンテンツ系の魔法用具は
全部個人情報バラマキ機能がついていた。
なんだろう、そういう制約でもあるんだろうか。

結局、購入はやめました。

転生船長 第45話 - 成果ゼロ

商売相手を探すAIの設計が完了し、
稼働開始した。
さてさてAIくんたちと手分けしながら、
商売相手を探していきますかね。

探し方としては、
まずは文明レベルが高い知的生命体がいるかどうかで探す、
という方法と、
魔力結晶そのものがあるかどうかで探す、
という方法と、
魔力結晶に比較的容易に変換できるものがあるかどうかで探す、
の3通りある。

知的生命体の検索はAIには難しいが、
私の探知系の魔法だと探しやすいので、
これは私が担当。
あとの2つはAIくんたちにまかせることとした。


星間マップを出して、まずはこの恒星系が存在する銀河系内部で調べてみる。

・・・

えーと、10日間かけて成果ゼロでした。
知的生命体はいるんだけど、
うちの恒星系と似たようなもんだわ。
まあ、魔力結晶そのもの、あるいは、魔力結晶に変換可能な鉱物があれば
検討してみてもいいけど、それは、AIくんたちの調査待ちって感じかしらね。

じゃあ、他の銀河系あたってみるか。
アースがあったところがわりと銀河系として近いのよね。
アース以外、って感じで検索してみるかね。
この銀河系もわりと星多いのよね。
少し距離があるから、探知にも少し時間がかかるけど、
がんばりますかね。

・・・

えーと、30日間かけて成果ゼロでした。
ああ、わかっちゃいたけど、この徒労感。
頑張った結果「ないことがわかった」という成果のみという。

AIくんたちの進捗もちらちら見ているが、
思わしい成果はまったくなし。

・・・

よし、AIくんたちの検索はそのまま継続するとして、
すこし気晴らしに母星でもうろついてみますかね。


転生船長 第44話 - キサラ19才、商売相手探し再開

19才になった。
オプティのボディはどのくらいの肉体年齢がちょうどいいのか探っていたが、
このあたりから劣化箇所がみられてきたので、
肉体年齢は18才をキープできるように調整、、、したいところだけど、
魔力不足的な理由で、実質18.5歳、というところだ。

理論上は魔法を極めれば不老になれる。
といってもまあ、自前の魔力だけだとだんだんきつくなる、というのが自然の摂理。
魔力結晶を定期的にゲットできるようになり、
自前以外に魔力を外部からゲットがあるなら、それを用いれば不老が実現できる。
ただ、そのためには富が必要。
富を得るためには商売をする必要がある。
そして、商売にはリスクがつきもので、
前世の私みたいに命を落とすこともあるわけで。
まあ、長寿ってのは簡単じゃない。

探ってみた感じ、この恒星系の人型知的生命体で同じことができる種族はなし。
龍は少し似たようなことができるようだが、
魔力を外部からゲット、というのが基本的にはできないから、長寿の龍は限られている。
魔力を外部からゲット、というので、まあ、なんというか、同族から魔力をかっぱらってるたちの悪いのが数匹いて、
そいつらが龍の中では強者だ。

悪いやつが強い、っていうのがまかり通っているという、お察しな精神文明レベルの低さ。
時代遅れだねー、ってこの恒星系だとこの程度が実のところ標準的なのかもしれないが、
私からすると、レベルが古すぎて呆れる。
これはやっぱり龍とは交流しないのが正解だね。

せめて不老を達成できるようなくらいには、
魔力結晶を確保したいところだ。

自前で魔力結晶を生産するプラント的なものを作成する、
という手もあるっちゃあるが、
大掛かりだし、それは正直、私のやりたいことではない。
前世では、そういう施設はあって、そこで魔力結晶を買う、というのは、
わりと魔法が使える人たちの定番ではあったが、
この世界に作るっていうのもありかもしれないが、、、、
めんどくさいし、私がやりたいと思えることでもない。

やっぱり商売相手を探しますかねー。

今まで商売相手を自力で探していたが、AIにも探してもらおう。
あと、最悪、商売相手がなかなか見つからなかったケースも想定して、
魔力結晶生成プラントの準備もしておこう。
これまた、AIにも頑張ってもらおう。
まあ、私が作る魔力結晶プラントなんて、しょっぼい出来栄えになるような気がするが。
なにかの役に立つかもしれないので、
それ用のAIの開発も、優先度は低めながら、やっておこうかなと思う。