気持ちの流れるままに、物語を書いています。

転生船長 第5話 - ベイビー、何もできないこともない

お母さんのおっぱいのんで、
あれやこれやは垂れ流しでお母さんに処理してもらう。
うん、この辺は転生前の世界と同じだわ。
何この共通感。
ベイビーたるものかくあるべし、みたいなものでもあるのかしら。


でも、全然嫌じゃないわ。
楽チン楽チン。
ただ、おっぱいほしいときとか、なんか不快感があるとか、
そういうたびに泣くのめんどくさいのよね。
あんまり泣かないとお母さんに心配されるから、
てきとーに泣いてるけど。


一応、見た目を盗んで魔法の練習的なものをしようと思っていたのだけれど、
転生前と同じことが同じレベルで、だいたい既に実行可能ということがわかった後は、
そんなコソコソ練習もなんだか飽きてしまったわ。


あー、宇宙船作りたい。
あー、宇宙船乗りたい。
星間マップ、脳内に出せるかしら?
あ、出た。この魔法好きなのよね。
どれどれ。
転生後のこの宇宙はどんなマップよ。

いやー、見たことない星図。そりゃそうよね。

ん?

あれれ?

この恒星系って、ずいぶん銀河の中央に近いのね・・・・。
というかこれ、ほぼ中央といって差し支えないわよね。
大丈夫なのかしら。
脳内端末だせるかしら?
あ、出せた出せた。
この魔法も超便利なのよね。誰が最初に考えたのかしら?
脳内端末のストレージに色々残ってる。
あ、このエロいやつ残ってた。
5年くらい前はわりとお気に入りのおかずだったんだけど、一旦消しとこ。
あのじじばば、すげーな。ここまで残せるものなのか。
さすが3人で惑星作ってるって豪語するだけのことはあるわ。
というかこれは、あのじじばばに私のアレな趣味はバレたな。
いいや、たぶん2度と会わないし。

記憶のロストほぼゼロで星間マップと脳内端末の組み合わせを転生直後に即使えるってどうなんだろ。
ま、いいや。使えるものは使いましょうかね。
じゃ、次のおっぱいまでには時間の余裕があるので、
脳内端末でぽちぽちやりますかね、、、。


転生船長 第4話 - 私はベイビー

「@ab;weou? valkjapw。」

「ivnweowaefakjhf! wlekjr!」

なんか声が聞こえる。

何言ってんのか全然わからない。

おお!

これが転生ってやつか!


というか、目があんまり見えないのよね。

「ivnweowaefakjhf! wlekjr!」

「qiak。oqkwna。oqkwna。」

何人か周りにいるようだけど、

たぶん、やたら「!」ついてるのがお父さんで、

おちついた感じがお母さんって気がする。

わかんないけど。


記憶はだいぶ残ってるわね。

うーーん。

魔法は使えるっぽい。

商売のことも、あ、わりと覚えてるわ。

うんうん、おじーちゃん、おばーちゃん。これは良き仕事であったぞよ。

まあ、商売のこと覚えていて何の役に立つのかよくわからないけどね。


「ivnweowaefakjhf! wlekjr!」

お父さん興奮しすぎ。

あれね、子供ができたのが嬉しいのね。

うんうん。


転生船長 第3話 - 1人の老女と2人の老人

「あたしゃ初めてみたよ。こんな精神力の強い娘。」
老女がそうつぶやく。

「わしも初めてみたわ。こんな運の悪い娘。」
白髪の老人がつぶやく。

「ふむ。それよりも私は彼女の魔法の才能が気になるね。
 飛び抜けて大きい魔力と緻密な力の制御。
 非常に興味深い。」
黒髪・黒ローブの老人がつぶやく。


「ん、ん、、、、、」
如月が目覚めると、3人の老人が自分を見つめているのに気がついた。

「おや、お目覚めかい?」
老女が話しかける。

如月が周囲を見渡すと、どこまでも続く真っ白な世界が広がっていた。
そこにポツンと自分と、3人の老人がいるだけ。

「これは天国?それとも地獄?
 そこまで悪いことをしてきたわけじゃないから地獄ではないと思いたいけど、
 自分の身を守るためとはいえ、人を殺したことがないわけでもないから、
 少なくとも、天国ではないわよね。
 ところであなただあれ?」
如月が老女に問いかける。

「あんたがぶつかった惑星を作ってたものだわよ。」
老女が答える。

「普通は見つかりもしないもんだがな。
 見つかったと思ったら、まっすぐに向かってくるもんだから、
 驚いたわ。」
白髪の老人がそう口にする。

「ふむ。それだけ緻密な魔法制御ができるというのに、
 気づかないものかね?
 慎重に思えて、意外と大雑把なところもあるのだね、君は。」
黒髪・黒ローブがそう口にする。

「わかってると思うけど、一言で言うなら、ま、あんた死んだのよ。」
そして老女がそうまとめる。

「ですよねー。私死にましたよねー。で、ここどこなの?」
如月が老女にそう問いかける。

「天国でも地獄でもない、輪廻転生する直前の魂の居場所のようなものだわね。
 あんたが死んだのも、ま、私らのせいってのもないではないので、
 あたしら3人が顔をだしたんだけどね。
 あんた、転生先になんか希望とかある?」

「じゃ、この世界で。この年齢のままで。いっそのこと死んでないってことで。」

「あんたはあほうか。」

「え、ダメ?」

「転生だといっとるだろうに。何を聞いていたんだろうね、この娘は。」

「うーん。
 じゃ、魔法が使えて宇宙船に乗って商売ができるならなんでもいいわ。」

「大雑把じゃな。
 魔法が使えるといっても、あんたが使える魔法がそのまんま使えるってのを考えてるだわな。」

「もちろん」

「あたしらのできることにも限界があるんだわ。
 こことおんなじ世界に転生ってのは無理。
 希望を叶えるといっても、なるべくよりそおうと努力はするんだけど、
 全部は無理だわな。
 宇宙船と商売はわからないけれど、ここと近い感じで魔法を使えるところは選んであげようかね。
 それでいいかい?」

「あ、記憶。記憶残して。」

「全部は無理だよ。
 なんか覚えておきたいことはあるかいね?
 なんとなく体で覚えているっていう程度なら残せるかもしれないよ。」

「じゃ、魔法と宇宙船に関する知識全部。商売は、、、いいや。」

「じゃ、それでいくかね。」

そこで、如月の意識がふっと落ちる。

転生船長 第2話 - 惑星激突

「惑星を回避できません。激突します。」
船のAIが無機質に私にそう告げる。
「えええーー!」

計器の故障が原因で、不適切な進路設定を行った結果、
惑星との激突(決して着陸ではない)を回避できなくなった私の船。
そして私の絶叫が船にこだまする。

「な、なんとかならないの、、、なんとか」
コンソールをいじり回しながら、
回避策を練る私。
そう、頭のどこかではもう無理だと知っている。

「激突まで10、9、8、」
相変わらず無機質なAI。
「そんな秒読みいらないわよ!」

そして、私の今世は終わった。

転生船長 第1話 - 如月船長

私の名前は、如月。27歳。ああ、もちろん女性。

若くして両親が亡くなって、経済的に自立するために、
遺産で宇宙船を購入。
星々の間を駆け巡りながら、個人で貿易で収益を上げて、
日々の生活を営んでいた私。
船の乗組員は、私一人。

商売に必要なものはなんだって勉強した。
生き残るために。
まあ、それが好きだった、てのもあるけれど。

特に私に向いていたのは、錬金術。
ゴミでもなんでもそこに物があれば、
そこから必要なものを作り上げるのに必要な資材に物質変換をすることができる。
もちろん、相応に魔力が必要になるけれども、
私の性質として生まれ持った魔力が人よりも多かった。

設計図を思い浮かべれば、錬金術を使えば、資材を元に必要な機材を作り出すことができる。
もちろんこれは魔力だけではなく、時間と集中力が大量に必要になるけれども。
ただ、私はこの錬金術の才能と魔力の多さによって、
宇宙船で何かトラブルが発生した時にも、自分で修理を行うことができた。
なんだったら、その気になればゴミの山から宇宙船自体を一から作ることもできる。
というか、今私が乗っている船がそうね。
そうあれは、思い出せば2年前、海賊船に襲われて愛船が大破して、もはやスクラップとなってしまったときには、
激しく絶望したわ、、、、、
やけくそで錬金術を使って死ぬほど頑張って、自作で宇宙船を作れた時は自画自賛の嵐だったが、
同業者には呆れられるやら信じてもらえないやらだったけど。
ま、まあ、最初は不慣れだった航海も、経験を積むにつれて、その分野でも才能を発揮することができるようになったわ。

商売の才能は、、、、まあ、天は人に二物を与えずってやつね。
まあ、食べてはいけるけれども、それほど上手い方ではないわね。
まあ、それはいいのよ。それは。食べていけているのだから。


これから先も、この業界で生きていくのだと思っていた矢先に、、、、、大事故を私は起こしてしまった。
自分の命を失う、という形で。

















昔あった嫌なことを思い出してしまう心理