気持ちの流れるままに、物語を書いています。

第4話「お買い物」

アリスとイアンが明日の支度をしていると、
ランチの材料が足りないことに気付き、
アリスは買い物に出ることになりました。

「ごめんね。段取り悪くって。」
「いい、いいって。私も忘れていたし。」

ラウルさんのお店は、港町バザーレの中心部にあり、
市が開かれている場所から、そう離れているわけではないが、
もうお昼をまわってだいぶたっているので、
閉まり始めている市もあるのだ。

急がなくてはいけなかった。

「買ってきてほしいのは、じゃがいもと、小麦粉。
 マリアおばさんのところが、安くて品がいいから。
 じゃあ、よろしくね。」
「うん、わかった。」

アリスは店を出て、早足で市に向かった。

市は閉まりかけているところもあったため、
人はまばらになってきていた。
マリアおばさんのお店はまだ閉まっておらず、
アリスは無事、買い物ができそうだった。

「こんにちは、マリアおばさん。」
「アリス、久しぶりだね。
 明日から店を開くんだって?
 頑張ってるね。」
「うん。ありがとう。」

アリスは品を選んで、手早く買い物を済ませる。

「明日、あたしも休憩のときに、
 散歩がてら、よらしてもらうよ。」
「はい!よろしくお願いします。」

アリスは、無事、買い物を済ませるが、
ところが、この後、帰り道で、
アリスはちょっとしたハプニングに巻き込まれることになる。

それは、次回のお話で。

第3話「準備!」

「おお、来たな娘衆」
「よろしくお願いしま~す」

ラウルさんは、気さくなおじ様だ。
私達は小さい頃から、いろいろと面倒を見てもらっていて、
血はつながっていないが、まるで我が子のように
扱ってもらっている。

「使えそうなものはここに置いといたからな。」
「ありがとうございます。」

ラウルさんは、イアンにてきぱきと指示を出した後、
さっさと店を出て行ってしまう。

「仕入れにいってくるんでな。夕方には戻る。
 それまでは、何かあったら、任せたぞ。」
「は~い」(2人)

私達は、明日の準備を始める。

バーとはメニューが異なるので、
夜には使わないような調理具等もあり、
それもラウルさんに頼んで色々そろえてもらっているので、
その洗浄やら設置やら、その他もろもろ色々とやることがあるのだ。

「ねぇ、イアン。お客さん、来てくれるかな?」
「色々と声はかけてるわよ。
 お店の宣伝も、色んな人に頼んでるから、
 初日は意外と忙しくなるかもよ。」
「え?そうなの?」
「ふふふ。アリスの知らないところで、
 アタシは暗躍しているのよ。
 イアン様は意外と顔がきくんだから。」
「へ~え」

やっぱり、イアンは頼りになる。
私なんか、何したらいいかさっぱりわからないもの。

明日が楽しみだなあ。

第2話「ボーイフレンド」

私のことを、可愛い、というのはイアン以外に、
もう一人いる。

幼馴染のアベルだ。

彼は、いつも私に優しくしてくれるけれども、
彼には別に女友達がたくさんいて、いつも取り囲まれている。
あんまり、私はその輪の中には入れない。

「おーい、アリス、こっちこいよ!」

いつものように、女友達に囲まれたアベルが
私に声をかけてくる。

こういうとき、ため息がつきたくなる。

いけないとは思いつつも、私は顔を背けて、
聞こえなかった振りをする。

「ねえ、アリス、あれいいの?」

イアンが心配そうに小声で話しかけてくる。

「うん・・・」

私達はそのまま立ち去るけれども、
後ろのほうで、アベルを囲んでいた女友達の笑い声が聞こえた。

なんだか、すごく嫌な気分になったけど、
後ろのほうで、誰かの走る足音が聞こえてくる。
ああ、また、いつものこれだ・・・。

「アリス!」

アベルの声だ。
うう・・・ほっといてほしいのに。

「アリス!どうしたんだよ!」
「別に、なんでもない。」

「・・・そうだ、お店やるんだって?
 イアンと2人で。」

「そうなのよアベル。あんたも来てよね。
 もちろん、常連になってくれるわよね?」

私の代わりにイアンが答える。
こういうときは、イアンが助けてくれるので、本当に助かる。

「もちろん!いつオープンするんだい?」
「明後日よ。だから、今日と明日は準備で忙しいのだけれどもね。」
「良かったら、手伝おうか。夕方からは手が空いてるから・・・」
「いい、いい!2人だけで出来るから。気持ちだけ受け取っておくね。」
「ん?そうか?でもまあ、何かあったら声をかけてくれよ!何でもするから。」
「何?アリスの為ならなんでもやるの?」
「はは。からかうなよ。でも、まあ・・・そうかな?」

私は足早に歩いていく。逃げるように。イアンを置いて。

「アリス待ってよ!置いてかないでったら!」

アベルのことは、気になるのだけれども、
周りに他の人がいるとき、私はいつもこうだ。

素直になれない。

・・・だめだな、本当に、私は。

第1話「お店はじめました」

友達に誘われて、一緒にカフェを開くことになった。

私は料理は全然できないんだけど、

「ウェイトレスだけでいいから。」

と言ってもらえたので、軽い気持ちで引き受けたんだけど、
ちょっと気になることがある。

お客さんはたくさん来てくれるかな・・・
村での評判はどんな感じになるのかな・・・

不安はたくさんあるんだけど、
友達のイアンはしっかりものなので、
なんとかしてくれるかな・・・。


「お店は、ラウルさんのところを使わせてもらうのよ。」

「え?あそこって、バーがあるところでしょ?」

「お日様があがっている間は、やっていないでしょ?
 その間、私達に場所だけ貸してもらうのよ。」

イアンは器用で、人付き合いも上手く、
なんでもやってしまう。

「ほら、あんたってかわいいしさ。
 妙に男受けもいいし。
 
 がんばって、お客さんに顔売ってね。
 
 私の狙いはそこにあるのよ。」

「私、別に可愛くないよ。
 そんなこと言うの、イアンだけだよ。」

「そんなことないって。」

私は、それを聞いて、
やっぱり不安になってきた。

(続く)





風の想い