気持ちの流れるままに、物語を書いています。

転生船長 第41話 - 木村武志6

「ハロー、御機嫌いかが?」

家のインターホンが鳴ったのでカメラ越しに見てみれば、
謎の女がいた。

「おかげさまで元気だよ。」

「入れてくださいまし。」

「はいよ。」

どうやってこの家の場所を割り出したのかは聞かないでおこう。

貴金属の換金方法はオレなりに調べていたが、
謎の女が魔法でどんな貴金属を作れるのか知らなかったので、
実際に見せてもらった。

宝石の原石を作成できるようだった。
金鉱石も作成できるようだったが、
金鉱石については、正直、どうやって売り捌けばいいのかオレは見当もつかなかった。

金は作れるが純度が低いので、精製する必要があるが、
その精製が大変、ということらしかった。

ダイヤの原石であれば買い取りをしてくれるところが見つけられそうなので、
1つ持ち込んでみる、ということになった。

あんまり大きすぎると目立つので、そこそこの大きさのものを謎の女に用意してもらい、
それをオレが店に持ち込むことになった。


換金にはしばらく時間はかかりそうなので、後日また来てもらうことにした。


買い取り店での手続きをもろもろして、現金を得た頃に、
再び謎の女が家に来た。

で、どのくらいお金を得ることができたのかと、
あとそれをどのくらいやれば、どのくらいの量の金のインゴットが購入できるのかを話して聞かせた。

そうしたら女がキレた。

そりゃあもう盛大に喚き散らした。

ものの価値がわからない知的生命体だとか、
これだから技術レベルの低い惑星は嫌いなんだとか、
有人探査船を恒星系外に出せない時点で終わってるとか、
とにかく人類の悪口をバラエティ豊かに言っていたが、
途中からオレは聞いていなかった。

頭から湯気が出そうな雰囲気をひきずったままに、女は去っていった。

一応換金できたお金はどうするのか聞いたら、
それは持っていかれた。

やはりお金はほしいようだ。