第五葉
4人は、結局、家の中に入ってみることした。
藪が一部、あんまり生い茂っていないところがあり、
そこは、少し足元に気をつけながら行けば、
家の扉の前までいけたためだ。
呼び鈴がついていたのを見て、拓也が言った。
「なあ、これ鳴らしてみいひん?」
「え~。」
「押してみよ。」
拓也が押しても、何も音がしなかった。
「電気が止められてるんちゃう?」
俊彦が言った。
「ほら、こっちにある電気のメーター回ってない。
そりゃ、誰もおらへんって。」
「そらそうか。」
答えながら、拓也がノブに手を触れると、
鍵がかかっているのか、あけられない。
「開けられへんな。」
「そりゃそうやって。
でも、どこかに鍵の隠し場所があるかもしれへんで。
例えば、この郵便受けの下とかな。」
俊彦が言って、色々調べだした。
なんとなく、4人で、鍵の隠し場所を探すような感じになった。