気持ちの流れるままに、物語を書いています。

第六葉

「あった!」

静香が声をあげた。
みんなが集まると、扉の近くに在る、
牛乳瓶を入れる入れ物のようなものの、
裏側に、見えないように鍵が挟まっておいてあった。

「これで中に入れるなあ。」

拓也が言った。

「ちょっと~。ほんとに入んの?」

「ちょっと、覗くだけやって。」

拓也は静香から鍵を取り、扉の鍵穴に差し込んで回すと、
カチリ、という音がし、ノブをひねって押すと、扉が開いた。

「よっしゃ、開いたやん。」

「あの~、拓也さん、ちょっといいですか?」

「なんだ、美奈子?」

「もう暗くなってきて、だんだん周りが見えなくなってきたんですけど。
 そろそろ帰りませんか?」

「ん?そうやな。もう見えへんしな。
 懐中電灯も無いし、そうやな、いいところやけど、
 帰ろうか。」

4人は、一旦引き上げることにして、車へと向かった。