気持ちの流れるままに、物語を書いています。

水口宿 その3

彦兵衛が水口宿に着てから2週間がたったころ、
薬を買いに来る客がポツポツと着始めた。

いろんなところに彦兵衛は薬をただで置いていったが、
最初のところにおいてきた腸に効く薬の評判が
最も良かった。

恩を感じた商家の主が、
なじみの客に触れ回った、というのも大きかった。

彦兵衛もある程度たくわえがあったが、
客が来るまでに余りにも時間がかかりすぎる場合は、
生活が苦しくなるので、2週間程度で結果が出てきたのは、
非常にありがたかった。

徐々に、紙風船を作らなくとも、
薬を売るだけで、評判が評判を呼び、
商売が回るようになるのは、時間の問題だった。