気持ちの流れるままに、物語を書いています。

転生船長 第35話 - 木村武志

ついにやっちまった。

ガードレールのないカーブを曲がりきれず、
そのまま転落。
そしれオレは走馬灯を初めてみることとなった。

危ないことをやっている自覚はあった。
趣味はオカルトと車。
心霊スポットに一人でふらっと行く、というのをやめられない性格。
こんな馬鹿なことばかりしているからこの年まで独り身なんだろうな。

今夜は格別についてなかった。
いや、ある意味ではついていたのか。

心霊スポットではモノホンの幽霊が出た。
わりと霊感はある方なので、
心霊スポットに行くとわりと見るのだが、
今回のはすごかった。

姿がはっきり見えた上に、
雨が降っているのにも関わらず、発火現象があった。
手足が痺れて、一瞬動けなくなった。

急いでその場を立ち去った。
駐車場に向かい、車に乗り込む。
エンジン回して、アクセル踏んで、
急いでその場を離れた。

心理状態としては、
あきらかに冷静さを失っており、
客観的に見ても危ない状態。

大雨の影響で路面が濡れていた。
そんな状態で山道を走れば、そりゃあろくなことにはならない。
曲がりきれないスピードでカーブに入り、
曲がりきれずに転落。

結構な高さがある。
これで助かるなら、奇跡。
もう祈るしかない。

強い衝撃が車を襲う。

顔面を激しく打ち付け、前歯が折れて空中に飛ぶ。ありえない光景。
体に走る激痛。

オレは死を覚悟し、気を失った。