第3話「準備!」
「おお、来たな娘衆」
「よろしくお願いしま~す」
ラウルさんは、気さくなおじ様だ。
私達は小さい頃から、いろいろと面倒を見てもらっていて、
血はつながっていないが、まるで我が子のように
扱ってもらっている。
「使えそうなものはここに置いといたからな。」
「ありがとうございます。」
ラウルさんは、イアンにてきぱきと指示を出した後、
さっさと店を出て行ってしまう。
「仕入れにいってくるんでな。夕方には戻る。
それまでは、何かあったら、任せたぞ。」
「は~い」(2人)
私達は、明日の準備を始める。
バーとはメニューが異なるので、
夜には使わないような調理具等もあり、
それもラウルさんに頼んで色々そろえてもらっているので、
その洗浄やら設置やら、その他もろもろ色々とやることがあるのだ。
「ねぇ、イアン。お客さん、来てくれるかな?」
「色々と声はかけてるわよ。
お店の宣伝も、色んな人に頼んでるから、
初日は意外と忙しくなるかもよ。」
「え?そうなの?」
「ふふふ。アリスの知らないところで、
アタシは暗躍しているのよ。
イアン様は意外と顔がきくんだから。」
「へ~え」
やっぱり、イアンは頼りになる。
私なんか、何したらいいかさっぱりわからないもの。
明日が楽しみだなあ。